応用情報技術者試験に一発で合格した話
TL;DR
試験の準備はちゃんとやったほうがいい。
前提
結果
私について
理系の大学4年生で、学部は情報系とは一切関係がないです。コンピュータサイエンスの分野に関心があり、セキュリティ分野ではCTFのPwnとCryptoをやっています。情報試験の受験は今回が初ですが、情報セキュリティ/ネットワーク/プログラミングについてはもともと知っていることが多く、特に情報セキュリティについては対策しなくても午後の過去問で8~10割を安定して取れたため試験に向けての勉強はしませんでした。
勉強期間は2週間くらいです。
試験対策
午前試験
午前対策は以下のサイトで十分だと思います。
過去問がそのまま通用することも多く、10年分位解いておけば6割は越えられると思います。
私は結局ここに掲載されている2720問は全て解いた上で、テクノロジ系は加えて何周かした気がします。午前で合格点をとれなかった場合は午後が採点されないということもあり、ビビッて短い期間の割に入念にやってしまいましたが、振り返るとオーバーワークだったと思います。全てを解く必要は全くないですし、ある程度できるようになったら午後の対策に時間を使うと良いです。
それから午後でデータベース/ネットワークを選択される方は、解説を含めて理解しておくと午後試験が少し楽になります。
午後試験
選択した科目は次の通りです。
・情報セキュリティ(必須科目)
・プログラミング
・データベース
・組込みシステム開発
・システム監査
やったことは基本的に午前対策と同じです。過去問を解いて、出題された分野について深く調べるということを繰り返しました。
受験の目的は知識の確認のためだったのでした。なので午後の選択は文系科目を選ばず技術系のみと決めていましたし、対策もその決めた5分野しかやりませんでした。本来はシステム監査ではなくネットワークを選択するつもりでしたが、本番でネットワークのパッと見の難易度が高いことと残り時間が少ないことで焦ってしまい、急遽なんか知識が無くても解けそうなシステム監査を選択しました。(なめすぎ)
それぞれの分野についても少し書いておきます。()は自己採点の点数です。自己採点の合計点と実際の点数の差は記述の部分点の違いだと思います。
情報セキュリティ(16/20点)
特筆することはありません。実務経験がないと解答を確定しづらいような問題がたまに出る印象がありますが、確実に取れるところを取るしかないですね。
プログラミング(16/20点)
最近では機械学習の分野で用いられるアルゴリズムが多く出題されていましたが、今回は普通にパズル問題でした。私は基本的なアルゴリズムの概要を少し知っているだけで競プロなどの経験はありませんでしたが、記述の形式に慣れたら得点は安定するようになりました。
全くの初心者の方が一からやるには少しコスパが悪い分野ではある気がしますが、一方で少しでも経験者の方であればどの問題でも誘導に従って考えれば解けるようになっていると思います。
データベース(6/20点)
得点が終わっとります。
データベースはSQL文を中心としたデータベースの設計・データ操作が問われることがほとんどで、理解は難しい方だと思いますが対策しやすい分野だと思います。
過去問を30回分近く解いて8割くらいで安定していましたが、本番はかなり難しく感じました。講評曰く全体の得点は平均的だったらしいです。マジ?
組込みシステム監査(18/20点)
あまり対策しなくても得点しやすい分野だと思います。たまに16進数に慣れていないと解きにくい問題がたまに出題されるらしいですが、PwnとCryptoはだいたい16進数表記なので慣れたもんでした。
システム監査(6/20点)
得点が終わっとります2。
一部では「読解問題」とも言われているらしいです。咄嗟に選んだ問題ですが、午前の知識だけではどうにもならんかったですね。
ネットワーク(非選択)
実は今回の試験にあたって一番勉強した分野でした。本番ではプログラミングとデータべ―スに時間をかけすぎたせいであまり時間が残されておらず、普通に難しそうだったのでやむを得ずシステムを監査したのでした。
悔しいことに選択こそしませんでしたが、ネットワークの勉強の過程ではとても多くのことを知りましたし、自分がこの分野の基本的な内容で理解していること、理解していないことがはっきり分かってきた気がします。
やった方がよかったこと
今回の受験の反省点をいくつか挙げていきます。
午後の選択科目を7つくらい持っておく(あたりまえ)
今回、技術系しか解かない予定で5科目しか対策しなかったわけですが、合格を目指すという観点からするとこれは非常に危ない方針だと思います。それぞれの分野には例年と比べての難易度の差があり、難しい回を引いた時の逃げ道として予備の分野が二つくらいあると安心です。
午後を一回時間を測って通して解く
これは試験中に重要だと痛感しました。私は午後を分野ごとにしか解いておらず、本番の時間配分が上手く出来ずに試験時間いっぱいまで問題を解いていました。
何から解いてどうすすめるかの戦略は実際にやってみないとわからないことが多いです。本番で焦ったりしないためにもやっておいた方がよかったなと感じました。
講評を読む
各試験終了後にはIPAから公式の解答と講評が公開されます。講評には採点者による問題の評価やおおまかな正答率が書かれており、採点者がどこを見ていて、他の受験生の方がどう回答したのかなどの情報が得られるので対策に役立てられることが多いです。
私は本番3日前くらいに講評の存在を知りましたが、対策を始める前に知っておきたかったです。
0次試験?
情報試験ではその難関さから、申し込み~当日の朝の起床~そして受験会場に到着するまでの一連の手続きが0次試験と呼ばれることがあります。
私は試験会場を当日に初めて確認し、そこが駅から結構歩くところで午前試験に約5分間遅刻しました。受験票に記された会場の図では移動にかかる時間もよくわからないので、よく確認しておいた方がいいです。
特に最近では会場についてから体温を記録して試験官の方に提出する必要があり、その時間も含めて余裕を持っておいたほうがいいかと思います。
ちなみに私は会場の試験官の方が優しくて、遅刻して到着したときに「午前終わったらでいいよ」とお気遣い頂きました。サンキュー試験官。
感想とこれからの話
今回の合格で高度試験の午前Iが2年間免除となるので、これを利用して令和5年度春季のセキスペかネスペを受けるつもりです。
合格証もらいました。こういうのはテンションあがりますね。
これから応用情報技術者試験を受験される全ての方の健闘を祈っています。